これぞ男のソロキャン/人間椅子・和嶋さんの野営
子どもと一緒に電車さんぽ、しませんか?
息子は鉄道大好きで、休日は電車さんぽを要求されるわけですが、さあどこに行こう、と困るわけです。
そんな時、購入したのがこちらの本。
吉本所属の「鉄道芸人」で、Youtuberとしても有名な鈴川絢子さんが、息子の「ちっくん」とお出かけしたスポットを紹介しています。
「親子で楽しめる」がテーマになっていて、自分のように子供と出かける場所を探している人にはぴったりだと思います。Youtubeのチャンネルには実際にお出かけした動画もあるので、息子に見せて、「行きたい?」と聞いて食いつきを確認したりもできます。
ちなみに、うちの息子はちっくんと同学年ですので、視点もだいたい近いのも嬉しいポイント。
日暮里駅すぐの鉄道ビュースポット 下御隠殿橋に行ってきた Railroad View Spot
付録で付いているコラムや、巻末の路線図も地味に嬉しいですね。親視点で共感できる点が色々とあります。自分自身がそこまで鉄道に詳しいわけではないので、本格的過ぎないのも読みやすかったです。
ネットで調べると情報はいくらでも見つかる時代ですが、自分のコンテキストにあった情報を探すとなると、まとまってはいなかったりします。こういった書籍のような形でネットの情報に対する補完があると使い勝手がいいですね。
ゴールデンカムイ(20) - 尾形は一体どこを目指すのか?
あれよあれよという間に、ゴールデンカムイも区切りの20巻ですね!
表紙は一周回った感のある堂々の杉本!歴史の重みを感じます。
前回までのお話
さて、思い返せば19巻は激動の展開でした。
再会、そして別れ...
-- 以下、ネタバレを含みますのでご注意ください --
キロランケ一行は刑務所からソフィアを脱獄させることに成功します。が、その直後に杉本一行と遭遇、壮絶な戦いの末、キロランケは命を落とし、尾形と月島も重体となります。
杉本はついにアシリパ、そして白石と再会(再会の儀式もいかにもゴールデンカムイ流で微笑ましかったですw)
各々の想いと策略が交錯した交差点...そして20巻へ
20巻の感想と考察
まず、尾形がどうなったかがまず気になったのではないでしょうか。
アシリパの放った毒矢に目を射抜かれましたが、杉本の咄嗟の対応で一命は取り止めています。
スナイパーである尾形にとって、隻眼は大きなハンデとなるはず。今後の展開に影響思そうですね。
ソフィアは、杉本一行とは接触せずに仲間の元に合流しましたね。唐突な分断感もありましたが、重要な人物だと思うので、今後大事な場面で再び出会うことになるのでしょう。
氷の中に埋葬されたキロランケに別れを告げるシーンは印象的でした。
そして、登別(北海道)では、新たな動きが...。
登場人物が多いので、誰が今どこにいるのか分からなくなってきますw
最大の山場を演出したのは尾形でした。
杉本は尾形を死なせるわけにはいかず、現地の医者に診せます。治療を受けた尾形はなお重体でしたが、看護師を人質に取り逃走。ここで、彼がロシア語を話せることが明らかとなります。
ここで、鯉登の回想シーン。
ここから彼の過去が見えてきました。それにしても、鶴見はどこにでも出てきますね。
さて、一体、尾形はどこに向かうのでしょうか?
ここに来て、彼の目的が全然分からなくなって来ました。
これまでの流れから、「戦場においても人を殺さない義兄」に対して憎悪を持っていたことは分かっています。アシリパに、自分を殺すよう促すシーンからも、そういった「清い」存在に対してその思想を打ち砕こうとする挑戦のように感じられます。
だとしても、それが彼自身が命をかけて達成したい目標でしょうか?
流氷の上でアシリパと二人になった際には、執拗に金塊の秘密について聞き出そうとしていました。なので、そこに対して何らかの理由で執着があることは間違いありません。がしかし、その「理由」が未だに見えてこない。
これまでの彼の姿はまだ氷山の一角であり、今後、明らかになっていない尾形の過去が少しずつ見えてくるのかと思います。
続きが気になりますね!
宇宙からの色/狂気山脈 - 人間椅子とラヴクラフト
ラヴクラフトの名作から生み出された曲「宇宙からの色」
初っ端の印象的なギターフレーズからのキレのあるカッティングの流れでまず心を掴まれます。
Ningen Isu / The Colour out of Space (人間椅子 / 宇宙からの色)
MVもかっこいいですね!和装と楽器とホラーの見事な融合。
この曲は25周年記念ベストアルバムに収録されています。
今年は30周年ですから、このアルバムからもう5年も経つのですね。月日が流れるのは早いものです...。
現世は夢~25周年記念ベストアルバム~【通常盤】(CD2枚組)
- アーティスト: 人間椅子
- 出版社/メーカー: 徳間ジャパンコミュニケーションズ
- 発売日: 2014/12/03
- メディア: CD
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ラヴクラフトと聞くとクトゥルフ神話、そしてTRPGを連想される方も多いかと思います。自分は人間椅子がきっかけで小説を読んだのちにTRPGでのクトゥルフ神話の存在を知ったので、逆にそんな方面で有名だったのか、という驚きがありました。
この全集には、ラヴクラフトの超大作「狂気の山脈にて」も収録されています。こちらも人間椅子の楽曲になっていますね。
夜中に夢中で読みましたが、読みたくて読むというよりは、読まないと恐怖から解放されないという心理から半ば強制的に読まされた感もありw
少しずつ先を匂わせながら、徐々に読み手に恐怖感を植え付ける展開は、どこか江戸川乱歩にも似ています。ただ、その恐怖の対象が異なっていて、乱歩は人間の内なるもの、内在する狂気であるのに対して、ラヴクラフトは外的な恐怖、SF的な異界の住人や超常現象です。
ぜひ、人間椅子の曲と合わせて小説もお楽しみください。
愛のニルヴァーナ/人間椅子
30周年のベスト盤に収録された新曲です。
NINGEN ISU / Love Nirvana(人間椅子/愛のニルヴァーナ)
ベスト盤の紹介記事も書いていますので、よければこちらもどうぞ!
「ニルヴァーナ」は日本語では涅槃、輪廻転生からの解放だそうで、 繰り返される生と死から解き放たれることを意味しています。
また、歌詞の中に出てくる「エロスはタナトス」のタナトスは、ギリシャ神話に登場する死神です。
愛は死、死は愛。繰り返す生と死からの解放。人間椅子が「愛」を歌うと、このような世界観になるのです。そして、その歌詞がヘビーな演奏と相まって強烈なインパクトとなって降ってきます。やばいですね。哲学と宗教と文学と音楽が絶妙に調和して新たな表現へと昇華されています。
さらに、今回のMVは、久々の女性を起用したもの(おそらくは「品川心中」以来)で、妖艶な雰囲気を掻き立てる素晴らしい映像作品となっています。
「品川心中」の紹介はこちら
奇しくも、「品川心中」も愛と死がテーマの曲ですね。
こちらも素晴らしい曲、そして映像ですので、ぜひ合わせて見てみてください!
さて、「愛のニルヴァーナ」に戻ります。
どこか屈折した愛を連想させるような甲高いイントロからのハードなリフの流れはさすがの展開で、さらにそこに人形のような女優さんの映像が絶妙にマッチしており、何か秘密めいた歪んだ情事を思わせるような独特な雰囲気がたまりません。
セットの作り、照明、ポージングや表情も曲の世界観を際立てていますので、ぜひ映像と共にお楽しみください。
それにしても、次から次へと素晴らしい作品を連発する人間椅子の熱量には脱帽です。
そして、Youtubeの動画に寄せられる外国のファンのコメントからも期待値の高さが伺えます。
きっと、この曲もヨーロッパツアーで演奏され、ファンを喜ばせることでしょう!
コウノドリ/いのちの重みを考える機会に
この作品に出会ったのは、ちょうど妻が妊娠/出産を迎える頃で、新しい命を授かることがどれほど奇跡であるか、身をもって体感しました。
上の子が逆子だったため、帝王切開になり、その流れで下の子も帝王切開でした。
妻は、子供達が生まれてくるために、二度もお腹にメスを入れたわけです。
僕は(幸いなことに)今まで手術は愚か、病気も大きな怪我もせずに生きてきたため、その大変さが分からないのですが、手術とか想像するだけで恐怖です。
今は絶賛育児中で、毎日が本当に大変ですが、母子ともに無事で、健康に生まれてきてくれたことを思うと、自分も頑張らないとという気持ちになります。
新しい命の誕生を「当たり前」ではない「特別なこと」、と認識させてくれたのがこの作品です(この漫画、そしてドラマと出会っていなければ、妊娠/出産は無事に終わって「当たり前」と思い込んでいたかもしれません)
これから親になるであろう若年層、特に男性に読んでもらいたい。
生まれてくる命に対する責任。
妊娠、出産、そして育児は、想像していた以上に大変なものです。
そして、妊娠から出産を経て、女性の心と体は劇的に変化します。どんなに文明が発展しようと、科学が進歩しようと、それは避けられない現実。周囲やパートナーが理解して、支えてあげる必要があるのです。
そのことが、今の社会だとなかなか分からない。
遥か太古から続く人の営みの中で、自然と親から子、世代から世代へと受け継がれてきたことが、核家族化や少子化、女性の社会進出、その他の様々な要因で、大きく変わってしまい、ぽっかりと穴が空いてしまっているような気がします。
赤ちゃんを抱っこしたパパやママが電車で立っていても、誰も席を譲ろうとしないことがあります。気がつかなかったのならしょうがないでしょうが、気づいていても見て見ぬふりをする、あるいはそもそも譲ろうという考えに至らない、というのは問題です。
また、マタニティーマークをつけた女性にどれくらいの人が気づくでしょうか?
パッと見てお腹が大きくなくても、妊娠初期はつわりがひどかったり、あるいは流産などのリスクが高い時期でもあるので、誰よりも優先的に席に座るべきです。
自分たちが当事者でなかったとしても、新しい命、赤ちゃんや子供たちを守るのは社会の一員としての務めではないでしょうか。そういう社会になっていかないと、誰も子供を生み、育てようなんて思えなくなってしまいます。
自分を生み、育ててくれた両親への感謝。そして、命の大切さ、重さを知ることで、周囲に対する互いの尊重がもっとできるのではないでしょうか。
この作品を、いつの日か親になるであろう子供たちにも、読ませたいと思います。
人間椅子30周年公演 - 行けなかったけど...熱が伝わってきました
先週のライブ、皆さんは行かれましたでしょうか。
残念ながら、僕は、お仕事をしていました...
Youtubeでライブ配信があったので、帰りの電車内で途中からは見れました。本当に本当にありがたい限りです。
ベストからの選曲なので、これでもか!と、たたみかけるようなセットリストでしたね。
中でも、個人的に「芋虫」がよかったです!
イントロの時点でね、もう...あれです、スイッチが入ってしまうのですよ。あの泣きのギターで...。
そして、これでもか!という和嶋さんのソロ!存分に聴かせた上で、さらにテルミンですよ!
もう、最強のパフォーマンスです。
一つ一つの音の重みをしっかりと聴かせるのが人間椅子の真骨頂であり、音源よりもライブが聴きたい最大の理由でもあると思います。
激しい曲もいいけど、「芋虫」や「羅生門」のようなじっくりした曲の生演奏は本当に良いですね。ライブでこういう曲をしっかりと演奏できるというのは、高い技術の証明でもあると思います。スリーピースで音数の限定された曲をやれば、ともすれば薄っぺらくなってしまいそうですが、人間椅子にはそれがない。
あと、もう一曲、「品川心中」が、やっぱいいなぁ。
あの強烈な和のテイストは、人間椅子にしか出せないでしょう。唯一無二と言っていいと思います。落語部分も含めて素晴らしいパフォーマンスでした。
全体としてもちろん素晴らしかったのですが、曲間にもう少し時間を取って、チューニングを合わせた方が良かったかな?と思うところはありました。が、それもまたライブの醍醐味でしょう!
さて、2020年はいよいよヨーロッパツアーが控えていますね!
世界を股にかけて活躍する人間椅子に期待です!