yuiwai’s blog

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校則をなくしてみた中学校の話

妻から聞いて読んだ記事がとても心に響いたのでご紹介します。 

www.nishinippon.co.jp

「校則をなくした」ことが本質的に重要なのではなく、「なぜ校則があるの?」という率直な疑問に対して真摯に向き合ったことが素晴らしいと思います。

向き合って得た一つの答えが「校則をなくしてみる」だったわけで、じゃあ他の学校でもこれを真似したらうまくいくの?というと、決してそうではないと思います。そこに行き着くまでの過程の中に組織としての目指す方向性があったはず。

 

トップダウンで命じられて単にそれに従うだけの状態には生徒も教師も釈然としないのは当然でしょう。人や組織が自律的に考え、議論し、行動することが重要。どう行動するかよりも、なぜ行動するか。HowよりもWhyが大事。これは、子供達が大人になり、社会を担っていくときにも絶対に必要な意識です。

その意味では生徒が主導となってボトムアップに意見を述べ、それが実際に採用されるケースがある、というのがまた素晴らしい。

 

校長が、教育委員会には報告しなかった、というのは、正直教育委員会という組織自体が現場からみてすでに形骸化している、ということなのでしょう。お決まりの枠から外れるとお叱りを受ける。そういう「パターン」で仕事をしていると、問題解決に対して鈍感になりますし、事なかれで済ましてしまう悪循環から抜け出せません。

 

僕自身、学校の教育や環境に関して、当時から思うところはたくさんありました。しかし、社会には、そんな子供達の意見を聞く土壌がなかったのです。面倒臭い屁理屈を述べる暇があったら、勉強しなさい、といった感じです。なぜ、学校に通い、勉強をするのか。根本的な問いに、真剣に向き合ってくれる大人に出会えませんでした。

 

学校がなんであるか、その問いに対する答えは、生徒や教師がそれぞれ自分なりに見つけるしかないと思います。しかし、そこに向き合わずに流れに身を任せるだけの生き方を続けたら、その先も何も考えない大人になります。

万人が納得する答えなどないでしょう。ですが、「こう思う」という意見を各自があげて、それをみんなで議論できる環境が必要です。

 

教育は、この国の未来を支える根幹です。テストの点数だけが重要な指標ではありません。子供達の人として重要な部分を伸ばすべき時期を担っている。

生徒や教師の声をもっと聞き、学校がどうあるべきか、もっと考えていくべき時期なのではないでしょうか。