BLAME!という漫画 -- LOG.0 無限拡張都市
BLAME!とは
「BLAME!」は2017年に映画化されたのを機に知った人も多いかと思いますが、原作は単行本全10刊の漫画です。
ジャンルとしては、SFあるいはサイバーパンクと言えると思います。
極端にセリフが少なかったり、設定に関する説明も作中でほとんどなされないため、読み解くのは容易ではなく、様々な解釈が出来るため、詳細な考察サイトや記事があったりします。
作者は二瓶勉氏。有名な作品として、アニメ化もされた「シドニアの騎士」があります。
僕は二瓶氏の大ファンですが、特にこの「BLAME!」には強い思い入れがあります。
この作品に対する僕の感想を、何回かに分けて記事にしますので、気になった方はぜひ読んでいただけると幸いです。
途中、ネタバレ的な要素も含みますので、ご注意ください。
BLAME! (ブラム!) コミック 全10巻 完結セット (アフタヌーンKC)
- 作者: 弐瓶勉
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/05/30
- メディア: コミック
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もしこの記事をきっかけに、作品を読んでくださる方が少しでも増えたなら、いちファンとしても嬉しい限りです。
無限拡張都市
初回は、本作の舞台である「都市」について。
この物語を語る上で、決して忘れてはならない、影の主役とも言える存在と僕は考えます。 もし、無尽蔵に広がる都市を生命体ととらえると、それは生存競争における圧倒的な勝者ではないでしょうか。
作中では、詳細に触れられることはないものの、様々な様式の建築物、巨大な構造体、未知のテクノロジーで構築された機械群が出てきます。これらを見るに、都市は生きており、独自の進化を模索し続けていると思えます。
と、ここまで書いてきましたが、都市はこの「BLAME!」の世界における舞台であり、インフラ、平たく言えば「背景」です。作品にとってはなくてはならない存在ではありますが、一般に読者の興味は「舞台」ではなく、その上で振る舞う「演者」に向けられるでしょう。
それでもあえて、「都市」を初回の記事のテーマとして取り上げたのは、それだけこの「舞台」が魅力的であり、「BLAME!」の世界観を語る上で欠かすことはできないものだと僕が考えているからです。
人類の滅びの未来を描いた作品は数多くありますが、たとえそうなったとしても、単にメインプレーヤーの交代に過ぎず、代わりの何かが繁栄するだけのこと。そして、世界は変わらずそこに存在する。そういう無常観を感じます。
「BLAME!」を読む際には、ぜひ、「都市」に目を向けて見てください!