人間椅子というバンド
僕は人間椅子というバンドが好きで、ライブにも何度か足を運んでいます。
最近はYoutubeの配信などで徐々に有名になってきていますが、もっと多くの人に興味を持ってもらえたらということで、微力ながら、記事を書いていけたらと思っています。
(人間椅子の記事一覧は↑からまとめて見れます!かなり僕の好みが出ていますが、良ければぜひ!)
初記事の今回は、自分なりに大きく俯瞰した人間椅子というバンドの紹介をしてみます。
どんなバンド?
ギター/ボーカルの和嶋慎治氏、ベース/ボーカルの鈴木研一氏、ドラム/ボーカルのスリーピースバンド。
キャリア30年になる大ベテランで、その音楽性の幅はハードロック、メタル、ブルース、プログレ、さらには和楽器の要素も取り込み多様。
世界観
あえて、世界観という、大きな括りを見出しにしてみました。が、それが的外れではないと自信を持って言えるほど、彼らの存在は独自の世界観の上に成り立っていると思います。
それは音楽面での音作り、楽器やエフェクターへのこだわり、歌詞やメロディー、さらには音楽活動以外での執筆などに到るまで、及んでいます。
もちろん、そういった世界観を持ったバンドは世界中にたくさんあるでしょう。ただ、人間椅子の素晴らしいところは、その世界観が一貫して変わらずに30年も続いているということ。
淡々と続け、濃縮し、いい意味で変わらず、またいい意味で進化している。不遇の時代を乗り越え、苦しい体験もしたからこその今がある。彼らの佇まいからは、そんな人生の年輪のようなものも感じられます。
ともすれば、このままあと10年もしたら、仙人になってしまうのではないか、とすら思ってしまうのは僕だけではないのではないでしょうか。
歌詞
言葉選びが非常に巧みで、どこか物悲しく、そしてメロディに載せて流れるような美しさに満ちた和嶋氏の歌詞に対し、鈴木氏の書く歌詞はストレートで力強く、グロテスクで暴力的でありながら、時に哀愁やあるいはコミカルさも感じさせる不思議な魅力があります。
そして、伝統的な日本の文化、歴史、文学、宗教、怪談などの要素に加え、お二方の故郷である青森や東北のエッセンス、さらにSFやホラーを加えて描き出される景色は、他の追随を許さないというか、そもそも他が決して追いかけては来ないような、独走(創)性に溢れています。
いずれも、日本語の持つ言語としての複雑さの中にある、リズム感や繊細な言葉のニュアンス、独特のおどろどろしさが絶妙にブレンドされています。
ライブパフォーマンス
ひとことで言うと、スリーピースバンドとは思えない音圧に圧倒されます。
最小限の構成だからこそ、それぞれの音の持つ存在感が強調され、一つ一つの音の輪郭が鮮明に表れているだけに、ごまかしも効きません。
まさに、真っ向勝負なステージです。
これはぜひ、ぜひ、生で見て、聴いて、味わっていただきたい。
自分も楽器をちょろってかじっていたので多少は分かるのですが、あれだけの演奏をキープしながら、各自が歌唱もする、というのは、相当な難易度であり、体力も消耗すると思います。
にも関わらず、生み出される音の厚み、グルーヴは、CD音源のそれをしのぎ、会場の雰囲気と相まって発生する怒涛のようなパワーは衰えるどころか、最近さらに増しているようにすら思えます。
そして、ハードな演奏、パワフルなパフォーマンスとは裏腹に、人の良さの滲み出るマイペースなMCとのギャップは、ぜひライブ会場に足を運んで体感していただきたいです。
最後に
今後は1記事で1曲ずつ、自分の好きな人間椅子の曲を紹介していこうかなと思っています。不定期更新にはなりますが、たまに覗いてみていただけると幸いです。